日本=かわいそう?
音楽の授業で、故郷の自然を謳った曲を鑑賞しました。
先生は「日本はTSUNAMIや地震があって大変だけど、モンゴルは素晴らしい自然がたくさんありますよね。」という説明をしていました。
私は思わず、「そんなことないよ!日本も素敵な場所たくさんあるよ!」と言いたくなりました。悔しいような、行き場のないモヤモヤした気持ちだけが残ります。
恐らくその発言にはなんの悪気もありません。日本人の私が隣にいたから、同情の気持ちもあっての発言だったのかもしれません。それに今でも東日本大震災で苦しい思いをしている方がいるのも事実。
モヤモヤがおさまらず、しばらくぼーっと考えていました。
あれ…。私だって東北の人をかわいそうだと思っていたじゃん、ということを思い出しました。
大切な人、モノを失った人たち。
家に帰れない人たち。
一生癒えない傷を負った人たち。
確かにその事実だけをみれば「かわいそう」なのかもしれません。
海外協力隊は派遣前の70日間、2年間活動する上で必要となるスキルや知識を身につけるために訓練を受けます。私は福島県二本松市にあるJICA二本松訓練所(NTC)で70日間を過ごしました。その期間、地元の方々と触れ合う機会も何度かありました。
地元の方々と関わっていて思ったのは、決して「かわいそう」だけではないということ。笑顔、優しさ、癒し、気遣い…、たくさんいただきました。そして美味しいもの、絶景、素敵なものとたくさん出合いました。私の東北に対するイメージは変わりました。
そうか。私がかつて東北のことを何も知らず、ただ地震にだけフォーカスして「かわいそう」と思っていたように、モンゴル人も日本のことをかわいそうだと思っているのか…と気づきました。
(遠回しにだけど)かわいそうだと言われていろんな感情が沸いてきました。きっと震災の被害にあわれた方も、周りから大変、かわいそう、と思われることに対して、私のこの感情とは比にならないだろうけど、いろんな感情を抱いたのだと思います。「確かに大変だけど、それだけじゃないよ。素敵なものもたくさんあるよ。」と。
このモヤモヤとした感情をうまく文章にできないのがもどかしい。でも、この感情は海外に住まないと味わうことはありませんでした。何かを伝えたいわけではないけれど、感情の備忘録も兼ねてブログに書きました。
緑になるのはまだまだ先みたい。5月だけど最低気温はまだ氷点下。